塗師

私、上條宗長は本業?は塗師、漆を塗る職人です。
 漆塗といえばお椀や茶托、重箱などが思い浮かびますが茶道具にもたくさん使われています。漆はjapanと言われるくらい日本を代表する素晴らしい文化です。
 日本の文化の多くは中国や朝鮮半島から伝わったものが多いのですが、縄文時代から伝わる漆文化は日本独自に発祥し発展してきたものと言われています。
昔から高価なものであったため、安価にするために明治以降粗悪品が作られたり、現代の”軽い”生活様式に合わない部分があったため残念ながら、このごろの生活のなかでは使われることが少なくなってしまいました。
 けれど深く気高い日本人の美意識によってつくられてきた漆器は、心の豊かさを求める人々にとっては今後も必要なものであり続けることと思います。

略歴

昭和
三十二年 長野県諏訪市に生まれる
五十五年  大正大学文学部哲学科卒
同  年 木曽塗伝統工芸師 百瀬順徹氏に弟子入り
五十八年 輪島塗作家 比古田外記氏に教えを受ける
六十 年  独立 現住所に工房を開く
六十一年 人間国宝松田権六氏に蒔下地塗の重要性と技法の指導を受ける。以後蒔下地を主とする。
六十二年 木曽漆器新作展入選
平成
七年  塗師名 宗長 拝命
十年  淡交ビエンナーレ技能賞受賞
十三年  豊田市美術館「現代漆の美展」出展
十五年  両忘庵 三笠宮殿下献茶式 出品
二十年  多摩クラフト協会入会 毎年グループ展等出品

三十年  町田市立博物館「美を使うよろこび」展出品
令和
四年  黒庵月釜茶会主宰